『ヘクトパスカルの詩』 天貫勇 2019/09/04/wed
たっぷりとした膨らみを
あっけなく手放してカーテンがなびく
肺もそんな感じで成り立ちをパクる成り立ち
☼
ド派手な怪鳥が飛び去る時に吐いた不吉な黒い炎で燃えまくっているような雑木林
木々が一筆書きをする気が遠くなる無意味で無限な幾何学模様は
メッセージとなって雲に届けば
空で持ち前の白さを補正しながら
大地と海にとんでもない言い訳を抜かす
だからと言ってからっぽの白いビニール袋が
鬱陶しさの死骸からする当てのない匂いの鼓動になって
ついでに落ち葉も集められて乾き切った葉脈が滑る
渦が目で髪の毛が薙ぎ倒されて示す方向に
体が押されては虚ろっている気に流されて
影に触れた
☼
ハネのある蟻が水溜りのそぞろいを通り抜ける、続いてアメンボは停滞を装う。
『ヘクトパスカルの詩』 天貫 勇
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