天貫 勇 Friday No.25(27) 『フリー・ハグ』をしたことがある、と言うのには2通りの立場がある。

 ところで皆さんは『フリー・ハグ』をしたことがありますか?(ちょっとググったところ、複数形で『フリー・ハグズ』と言う方が正式に近いようだけれども、馴染みがないし言いにくいので単数形で表記します)
 街で見知らぬ人とハグをするだけのアレです。ハグをすることでなにやら素敵なことになるだろうと思われるアレです。最近ではYouTuberやパリピの方のお遊びになっているアレです。
  『フリー・ハグ』をしたことがある、と言うのには2通りの立場がある。スポーツのオフェンスとディフェンスとは少し異なる。 「FREE HUGS」と書いたプレートを持って通行人にハグを求める主催者側がひとつ。もしくは、ただ通りすがりにその主催者にハグをしたことがあれるとすれば、それは充分に「フリー・ハグをした」と言える。後者を参加者と言うのかわからない。なぜなら一般的には「ハグ」はひとりでは成立しないからだ。「ハグ」をする瞬間はどちらも当事者と言えなくもない。(ひとりでもハグは成立する!と言う方がいらっしゃいましたら連絡下さい) 

 ぼくは一度だけ『フリー・ハグ』をしたことがある。主催者ではなく、通りすがりの参加者(当事者)だ。クリスマス当日だったかクリスマスイブだったかうろ覚えだけど(彼女なんかいなくて一緒にいたのは大学の男友達ことは確信を持った事実)、とにかくクリスマスシーズンで賑わう横浜駅のドンキの手前の橋の上で、ダボダボのサンタコスチュームの男性とハグをした。完全なるその場のノリでぼくもハグをしたわけである。

  別にその体験がきっかけでは無いんだけれども(4〜5年程前の話だし)、ぼくは今『フリー・ハグ』をしたいのだ。しかも主催者として『フリー・ハグ』をしたいのだ。特に理由なんて無い。なぜならあくまでフリーなハグなのだから。なんだか面白いそうだし、なんとなくハッピーになれそうだからだ。自己満足で良いのだ。
そう考えると『フリー・ハグ』は自慰行為でありながら相互的な『他慰行為』にもなるのではないか?と言うかそうなれば素敵ですよね?主催者がいて参加者がいるんだけれども、ハグすることによってその関係性が一瞬だけでも壊れてお互いが当事者になる。その刹那的で流動的なものに惹かれるのかもしらない。

 ではでは、どのように実行すれば良いのか?(世の中にはやりたいと思っていても、思っただけで実行に移さないことが実に多い)実際のところ『フリー・ハグ』はハードルが高い。ハードルどころかポールを使って跳ぶ、棒高跳びくらい高い。
 先ず1人ではできない。ぼくの『フリー・ハグ』を見守ってくれる「誰か」が必要になる。もしくはぼくと同じ主催者側のプレイヤーとしてでも構わない。とにかく誰かいないと心細い。それに誰もハグをしてくれなければ、その付添い人とハグをすれば良いのだ。
  そして複合的な目的がないとやりにくい。やる気が起きない。イベントであり、ハプニングであり、パフォーマンスあるとするならば、投げ銭箱を用意することも必要だ。友愛的な活動でありながら、これはやっぱりお小遣い稼ぎを少し頭のほんの片隅に置いておくべきである(フリーでなくなっていないか?ハグすることは無料だからセーフ)。なので、Tシャツ、ステッカーetc...の物販も並行して行うのはどうだろうか?デザイナー、クリエイター仲間を呼ぼう。本来の『フリー・ハグ』の目的とは異なるが(そもそも目的なんかあるのか?)、宣伝や客引きとしては有効な手段である。
 どこでやれば良いのか?渋谷駅は人が多すぎるし、絡まれそうだし、ノリ強めの人が多そうなので却下。どこでやるかは念密な下調べ、もしくはその場の勢いでやるしかないように思える。それに時期も大切だ。ジメジメの梅雨や汗を掻く夏はNG。やはりクリスマスやバレンタイン、ハロウィンなど便乗ハグは回数は重ねられそうだが、そういうことでもないので要考慮。 
 あとは純粋にハグを楽しめるような工夫もあれば楽しい。「強め・弱め」「フレンチ・ディープ」などとハグの抱きしめ具合を選べるのも良いかもしれない。イケメンや美女を揃えて挑むのも大切だ。

 いろいろとやりたくない理由を見つけているようだけれど、ぼくは割と本気です。半年〜1年以内に実行できれば自分を抱きしめたいと思う。あれ?これだとひとりでもハグは成立するな。完全なるオナニーハグ。
(『天貫 フリー・ハグ サークル』に入会希望の方は連絡下さい)


『今日』にトマッテくださり、ありがとうございます。
またね。天貫 勇 Friday No.25(27)
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