Friday No.24(26) 夏の抜け殻をどこかに残して登校して来るのだろう。

生きとして生きて生きる、んだよ。
嫌なことなんて忘れてさ。
走って汗を流してお風呂に入る。
お腹いっぱい満足に食べて。
お酒を飲んで笑って。
月が見守ってくれる、夜。
あの日の少年が太陽が昇るのを遅らせてくれるから。
蹴飛ばして眠ろうよ。シーツがくしゃくしゃになればなるだけ。
寝癖でボサボサになるばなるだけ。嬉しいことが明日あるかもな。
喜びを思い出に取っておいて、
のちのちスルメみたいに噛み締めるんじゃなくて、牛みたいに反芻するんじゃなくて、
その瞬間にありったけ!ぶつけ合おうよ。 


『トゥモローランド  天貫 勇』




 夏の終わりを感じるのは、道にコロリとひっくり返った哀愁漂うセミの死骸(場合によってはDEAD OR ALIVE 地雷のごとく爆発する)も、もちろんそうだけれども、グラウンドにから聞こえる小学校の体育の授業だ。あとはずっすりといつまでも寝れる最高な夜。ぐっすりではなく「ずっすり」の方が適切な表現だ。
 その体育の活気はセミの鳴き声と引き換えにやって来る。まるでお弁当を食べた後の世界史の授業中にやってくる睡魔のように。なので今までセミだと思って聞いていた、あの鬱陶しい幻覚のような鳴き声は本当は小学生が夏休みの間中ずっと、一生懸命に汗を垂れ流しながら木にしがみついて、それぞれに鳴いていたのではないかと思うほどだ。そして一ヶ月ほど満足に夏を楽しんだら、夏の抜け殻をどこかに残して登校して来るのだろう。 
 そう云えばぼくはカキ氷も食べてないし、海にも行っていないなぁ。
でもある意味、毎日夏休みだしな笑


『今日』にトマッテくださり、 
ありがとうございます。またね。 
天貫 勇 Friday No.24(26)