『下校の詩』 天貫勇 2019/08/31/sat
意味も無いように影を踏んで
地面をイッポイッポ探して見つけて
ソールを合わせての繰り返し
制服とカバンは未確認に浮遊を続ける
もうすぐで夜になる明るさのフェードアウトする時刻
ぴったりと寄り添いたくて支配される頃合いに
靴のヒモをきつく締める動作に従って
帰り道でぼくはバグった
遠く離れた空に呼ばれた雲は引き伸ばされて千切れる
その残ったカスは今日の足跡を隠す
どこにも行けないドアはハッキリとくすんで
手をキレイにキレイにしてもしても
ガァラガァラポビポビドンドンドン
昼間のままの軽い頭。夜が浸透する重い体。
窮屈に成長した皮をぼくが破ることのないまま
頼ることのできないアーマーになってしんどく硬化
逃げるトカゲみたいに自切するなら
舌にするかな?影にするのかな?
あるはずのない短い尻尾を
お尻の上にちょろりとくっつけるのかもね。
『下校の詩』 天貫 勇 2019/08/31/sat
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