Friday No.18(22) 「決定的にタピオカを飲んだ記念日」

 なんとなく、夏がすぐそこまで来ていることを感じ取れる。フライングをした蝉が一匹だけしょうがなしに鳴いている。梅雨が明けたら、床に落としてしまって無残に割れた生卵のパックのように、弾けたどうしようもない暑さがまとわりつくのだろう。それはそれで夏なのだからアイスを食べたり時にはカキ氷を食べたり、冷えたビールを飲んでやり過ごすのが対処法なのだ。


 タピオカが爆発的なブームになっている。そのブームは爆発的過ぎてパンデミックを起こし日本各地に根付いている。駅を歩いていればミルクティーに沈んだヤツを入れた太いストローの刺さったヤワな容器を持ち歩いてる女性に最低5人はすれ違う。その内に通貨がタピオカに取って代わり、「一粒1タピ」で取引される。最終的には仮想タピオカが生まれ、タピオカでできたブラックチェーンを財布に括り付けて腰から下げることになるのではないだろうかと思っている。

 ぼくはタピオカを毛嫌いし、食わず嫌いし、このブームはなんらかの陰謀がある、もしくは女子高生たちは太いストローで黒い柔らかな球体を吸うことに性的なメタファーがあると思っていた。

7/16(火)タピオカを飲んだ。
この日は「決定的にタピオカを飲んだ記念日」
最寄りの駅にブームにあやかってできた(と勝手に思っている)タピオカ店。連日の常に列ができているらしい。確かにぼくらがタピオカを飲んで談笑していた2時間弱、5〜10人の列は途絶えることなく、若い女性はもちろん男子高校生やソロおじさんなど幅広い層が並んでいた。

http://www.pearllady.jp/chabar/

 メニューは全てドリンクながら数が豊富。そして頼む際にはいくつかの項目を的確に注文しなくてはならない。これは初めてのスターバックスやサブウェイと同じ緊張感がある。
ʕ•̫͡•ʔ{スタバはほとんど行かないけど行ったとしてもサイズしか言えないし、サブウェイでは「上限」にしてもらう。)
 まずは土台となる液体である「お茶」を選ぶ。1番スタンダードな感じがしたので『台湾紅茶』。次に「お茶の甘さ」を選ぶ。ぼくはタピオカを黒糖タピオカにしたかったのと、おすすめにもなっていたので『半糖』。そして「氷の量」はおすすめには従わずに『少なめ』。最後に「無料のトッピング」はもちろん『黒糖タピオカ』。
 瞬時にラミネートされた蓋(カップ上部)に太いストローを刺す動作は痛快である。道を志す所作を感じた。カウンターの中を覗くと給食のスープが入っているような大きな鍋満杯にタピオカが入っており、一体1日に何粒のタピオカが消費され女子たちの胃袋の中で消化されているのか?
いざ、実食!

 ラーメンの作法と同様にまずはお茶から。ストローをタピオカの大群から離して、わずかに浮かせて吸う。『台湾紅茶』たるものがとても美味しい。茶ラテと云うことでロイヤルミルクティなんだけれども濃さや甘さが丁度良い。今後、ペットボトルのミルクティでは満足できなくなりそうな味わい。そして『黒糖タピオカ』を吸う。ほとんどお餅の弾力。ほんのり黒糖の甘さ。台湾紅茶とベストマッチ。これは世のJKがハマるのはもちろん、みんな好きになり中毒になるのがわかる。タピオカ入り飲料はてっきり完全な輸入品だと思っていたけれど、日本人向けのアレンジがありとても日本的な飲料である。

 タピオカにカロリーがどれくらいあるのかはわからないけど、腹持ち感からタピオカダイエットが流行ってもおかしくない。それに、コーヒー離れが加速するだろう。そして、女子たちの「キス欲求」がタピオカによって満たされて、高校生のカップル率が下がるだろう。


余談
「ダブルカルチャード」

カルピスをビールで割ったお酒。

 シャンディガフ的なポジションのカクテル?だ。しかしビールが苦手なヒトが飲みやすい飲み物へと変わったか、と云うのは微妙な完成度である。ビール好きとしてはちょっと甘過ぎるし、ビールの喉越しをカルピス特有のねっとり感が消してしまう。悪くは無いので、知識として覚えておこう。


p.s...
 またも悲惨な事件が起た。ひとりの人間の身勝手な行動によって多くの命や財産が失われた。本気で行動を起こせば大きな結果が出る。こんなことにエネルギーを注いではいけない。登戸での殺傷事件にしても今後このような事件が繰り返し起こるだろう。

『今日』にトマッテくださり、
ありがとうございます。
 またね。天貫 勇
Friday No.18(22)