『その風味』 天貫 勇


口の中に残った(ような気がする)チョコレート。

いつから始まったか不明な後味だけど不味くない。
終わりが見えない。

その風味は
舌先が届かない歯と頬の肉の壁との隙間に隠れてる?
もうちょっと奥まった頭の中は
無味で埋め尽くされた無臭。

グミみたいに半透明な血管に縛られて
呼吸と一緒に沈み込む体は
光から離れて、闇に近づいて
包み込まれ閉ざされて。

音がしているけれど・・・
(軽いポテトチップスが砕けるアブラッコイ乾燥)
頭の後ろらへんの頭蓋骨と脳味噌の隙間を這いずる。
それは君の悩み事の事かなぁ?


2019/12/21/sat 『その風味』 天貫 勇