Friday No.32(34) 断定できるものでは無い。

 ほとんどの人間は認識として性別があり、男か女に分かれることになる。そして、「男は女が好き」であり「女は男が好き」となる。性欲の向かう方向もそれと同様になることが基本だ。そしてそれらに該当する人間は一般的に言って「性的マジョリティ」(こんな風に言われることはほとんど無いけど)。性別によって社会的な役割もおおよそ決定される。そして「女で女が好き」「男で男が好き」「どちらも好き」「生まれ持った体の性が男」「生まれ持った体の性的が女」の人間。つまり、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル 、トランスジェンダーの人間はその頭文字を取って「LGBT」と分類される。つまり「性的マイノリティ」だ(こちらの言い方は一般的だ)。


 以下の番組

『バリバラ 2.4時間テレビ番外編 ~アセクシュアル・Xジェンダーの世界~』を見た。
https://www6.nhk.or.jp/baribara/lineup/single.html?i=1185#top

 NHKで放送されている「障害者のための情報バラエティー」だ。明るくポップなテンションで障害者やマイノリティについて、普段触れない部分を当事者自らが情報を発信している。毎回欠かさず見ている番組では無く、今回のテーマが「性的指向」だったのでチェックした。

 上記で「性的マイノリティ」は「LGBT」にカテゴライズされると言ったけれど、そのどれにも該当しない「性的マイノリティ」の存在をぼくは知った。


アセクシャル・Xジェンダー・クィア

 アセクシャルは無性愛。「恋愛感情の有無にかかわらず誰にも性的に惹かれない」。無性愛だからと言って愛が無かったり、恋愛をしないわけではない。性的に惹かれない度合いに関しても「少ない」「無い」とヒトによって様々。
 番組に出ていたアセクシャルの女性のひとりは男性のパートナーと同棲している。2人に性的な行為は無い。彼女は一緒にいて幸せなパートナーと出会えて幸せそうな笑顔をしていた。
 「性欲が無い(もしくは少ない)」と云うのはなかなか他者から理解を得られず、感情が無いロボットに周囲から見られるようで悩んでいるようだ。場合によっては病気扱いされるようで悲しそうだった。ぼくだって性欲が無いと言うのは想像するのが難しい。悩みの本質は「他人に対して性欲が無い(もしくは少ない)」ことでは無い。番組に出ていたアセクシャルの女性3名は、そう云うヒトもいることを知って欲しい、新種だと思って接してくれれば良い、と他人が無理解のことよりも『無知』であること悩んでいた。
 番組の構成上なのか「男性のアセクシャル」の方が出演していなかった。男性の方がアセクシャルが少なく、自身の性的指向を隠しているのかもしれない。


 Xジェンダー
こちらは説明が長くなるので割愛させてもらいます。
https://jobrainbow.jp/magazine/xgender

 今回の番組のXジェンダーのコーナーに出ていた方は「身体の性は女だが、自分の中に男と女がいて、日によって割合が変わる」。普段は一般的に女性として生活している。毎朝、鏡を見てその日の自分の中の性の割合が分かるようだ。しかし、女性らしい化粧や女性用スーツに戸惑いや不安を持って毎日を過ごしている様子。自分の性的指向と言うか個性を交際中の男性に真摯に伝えている姿が印象的だった。


 クィア
 これは番組内で特別取り上げていたのでは無いが、出演者にクィアの方がいて、何度か番組内で発せられた単語だったので調べてみた。https://jobrainbow.jp/magazine/queerandquestioning
 自身の性自認(自分の性を何と考えるか)や性的指向(どんな性を好きになるか)が定まっていない、もしくは意図的に定めていないセクシュアリティのことだ。
 番組に出ていたクィアの外国人の方は金髪で脇毛が生えていた。ジミー大西氏がその方に「女性ですか?」と尋ねたところ「クィアよ」と答えていた。生物学的な性は分からなかった。


 この番組を見て「社会は性的マイノリティをカテゴライズしようとし過ぎているし、性的マイノリティは社会に自身の性の答えを求めている」と感じた。しかし、そのカテゴライズも回答も必要は無いのだ。性的指向は本来、多様なものだ。ひとりひとりに個性があるように性的指向にもそれぞれの個性があり、断定できるものでは無い。例えば(例えになるかわからないけど)野球が好きな人がいて、そうでもない人、嫌いな人がいる。野球が好きな人の中にも球場に足を運ぶ熱烈なファンもいれば、TV観戦で充分な人もいる。好きの中にも嫌いの中にも様々なレベルがある。


 先日、ぼくの性的指向をいまいち理解していない男性の友人に「君はファッション・ゲイ」だと言われた。「ファッション・ゲイ」とはキャラクターとしてゲイを公言しているが本当はゲイでは無くて、ストレートの人間を意味している。

 ぼくはそもそもゲイでもストレートでも無くて、一応バイセクシャルもしくはパンセクシャルである。それとも酔っ払うとただのキス魔なのかもしれない。確かにぼくは男性と交際したことも性的行為をしたことも無い。童貞です。本当のところ男性と交際できるか、性的行為ができるかはわからない(前向きではある)。そう言う意味では「クィア」的なところもある。「Sexually fluid」とも言える。生物学的な性は男性で心の性は「天貫勇」である。ジェンダーレスをレスしている。好きになる性も断定してい無いし、自分の中の性も特に断定してい無い。

 「ファッション・ゲイ」は皮肉で言われたのだが、なんとなく嫌な感じがしなかった。むしろかっこよく感じた。性的指向も服のように簡単に脱ぎ着ができて、好きなように着こなして、流行に敏感に反応したり・反抗したり、それぞれに楽しめれば良い、どんな服を着ようが個人の勝手だ、と言った軽やかさを感じたのだ。



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